20代で5回の転職を経験し、30代目前でひきこもりに。そこからフリーターとなり、正社員への転職を決意した私がこれまで経験してきたことを紹介します。
20代で5回の短期離職
新卒の会社は1か月半で辞め、20代で5社を経験しました。
2年以上続けたのは1社だけ。1年以上働いた会社でようやく過半数を超える3社になります。
一番短い会社で働いた期間は1か月半。新卒入社の会社と6社目の会社でした。
新卒の会社を辞めた理由
私が新卒で選んだのは小売りの仕事でした。
辞めた原因としては、やりたいことと求められることがかけ離れていたことにありました。
もともとお店を見るのは好きで、きれいに装飾して商品を売りたいと考えていました。
ですが求められたのは、決まった時間に決まったことをこなすルーティーンワークでした。
こんな働き方をしていて楽しいのかな。
そう思っていた時に、店長のつらそうな顔が目に入りました。
入社直後でまだ多くの仕事を任されている状況ではありませんでしたが、もし仕事を覚えて店長の立場になった時に自分もつらい顔をしている。そんな姿を想像したときに、辞めようと思いました。
お店のオーナーに連絡し、辞めるということを伝えました。
「辞める相談ではなく、辞める報告か」と言われたことは今でも覚えています。
30歳目前でフリーターになったきっかけ
29歳の後半に5回目の転職活動をしました。この時には、30歳が転職できる最後のデッドラインと考え、長く働ける会社を選びたいと思って転職先を探しました。
他人より転職回数が多いですが、このことについては全く気にしていませんでした。というよりも、気づいていなかったというのが実情です。
新しい勤務先を探すのに必死で、周りの人が何回転職しているのかなんて考えたこともありませんでした。
ただ漠然と、何年も同じ仕事を続けている人はすごいなという感覚はありました。
最後の会社のつもりで入社した先は、高齢者向けの商品を扱う会社でした。
高齢者が増えていく日本社会において、廃れることのない業界だと考えたため選びました。
ですがその会社は1か月半で辞めました。
この1か月半というのは、会社に所属していた期間に過ぎません。
入社直後に年末年始の休みを挟んだため、実際に会社にいたのは体感で1か月ほどです。
辞めた原因はパワハラでした。自分以外に4人しかいない部署なのに派閥争いがあり、トップの指示に従っていたら逆派閥から文句を言われました。
50歳前後の人しかいない会社で体育会系気質。私にはまったく合わず、メンタルが限界になりました。
今までの会社は辞める手順を踏んでから辞めていましたが、この会社だけは本当に限界で、「もう明日から来られません」と言ってその日に辞めました。
メンタルが限界になった要因
メンタルが限界になった要因は、会社が合わなかったことだけではありません。
20代で5回の転職を繰り返してきた私は、自分でも気づかないうちに精神的に疲れ切っていました。6社目を辞めた直後は「働くぐらいなら死んだほうがまし」と思い、1年ほど自宅に引きこもりました。
働かないといけないという気持ちはありましたが、自分が働く姿を想像するだけで体が震えました。そして正社員には二度とならないと思いました。
短期離職を繰り返した原因
社会の求める常識と自分の価値観が合わなかったことが短期離職を繰り返した要因でした。
社会の求める常識は、「社会に出たら正社員になれ」「週5日・1日8時間働くのがあたりまえ」というふたつです。
これに加え、社会のことを知らないが故のあこがれが長く続かない要因になりました。
あこがれというのは、言い換えればこだわりです。
この業種ではこんなことをしたい。こんな風に仕事をしたい。
理想がとても強く、うまくできない自分に呆れたり、やりたくないこともやらないといけない状況に納得できませんでした。理想とのギャップが続くと辞めたい気持ちが強くなりました。
もっと自分はできるんじゃないか。もっと自分に合う仕事はあるんじゃないか。これが短期離職を繰り返した要因でした。
このこだわりは、正社員で働くということと相性が最悪でした。正社員は得意苦手関係なく、すべての業務をやることを求められます。
やりたいことしかやりたくなかった私の考え方とは全く合わず、「なんで自分がこんなことをやらないといけないんだ」と思うことも多くありました。
この考えがクレームを引き起こしたこともありました。頭ではヤバそうと理解していても行動に移さず、後日取引先から文句を言われました。
ですが当時の私は、上司から言われたことを言われたとおりにやっただけ。だから結果は知らないという考えで行動していました。
客先への対応も今思い返すと最悪なものでした。求められる業務の幅が広すぎることは、私のこの最悪な行動につながっていました。
上司の指示も納得できない内容であればやらないという考えで、自分の興味のあることだけを求め続けました。会社の求めることとやりたいことのギャップが大きく、短期離職につながりました。
正社員を辞めたあとのこと
メンタルがボロボロの状態で6社目を辞めたあとは引きこもりになりました。一人暮らしをしている私は、貯金が尽きたらそのまま死のうと思っていました。
ですがいざ貯金が減ってくると不安で仕方なくなり、なんとか仕事をしようと考えるようになりました。
そして求人を探すも、「週5日は絶対に無理」「1日8時間とかも無理」と労働環境へのこだわりが強くなっていました。
派遣会社にいくつも登録するも、希望する条件を伝えると渋い顔をされるばかり。電話対応は絶対にやりませんと伝えていたのに、紹介されるのはコールセンターばかりでした。
それでも働かないといけないと思い、日雇い派遣の倉庫作業に挑戦しました。
ですがここも1日行っただけでそれ以降行くことはありませんでした。
派遣で行った先の担当者の「こいつは派遣か」的な視線に耐えられなかったためです。
業務内容にしっかりとした説明もマニュアルもなく、初日からいきなりやらせられるのも無理だと感じました。
仕事へのトラウマが強くなっていたため、長く続ける職場を探すことは難航しました。
フリーターになって感じたこと
アルバイトや派遣の求人を見ていた私は、自分で働き方を選べることに驚きを感じました。
いままでは正社員の求人しか見ていなかったため、会社の決めたとおりに働くのが当たり前と思っていたからです。
6社目でパワハラを受けた私は、正社員へのこだわりはなくなっていました。
アルバイトだろうと派遣社員だろうと関係ない。自分に合う働き方をしたい。
そんな考え方に変わっていたからこそ「週3から」「午後だけ」「1日3時間」と条件が豊富な非正規の求人はとても魅力的でした。
自分に合う探し方を見つけるのに最高の条件でした。
派遣を2か所で経験しましたが合わないと感じ、最終的にアルバイトで仕事を探すようになりました。
そして、2年続けられるバイト先を見つけることができました。
入った時には週3日でしたが、平日は午後だけということもあって今では週5日働くことができています。
自分が納得できる働き方が大切
仕事を選ぶうえで重要なのは、欲しい給与額と働き方のバランスです。
バイトで週3日で入ったところを週5日にしたのは、金銭面が主な理由です。
一人暮らしをしているため、最低限の生活費を得る必要がありました。
幸いにもあまりお金を使う方ではなかったので、13万円あれば十分に生活することができました。
正社員時代からいつ辞めるか分からない不安を抱え、徹底的に節約し続けてきたのがフリーターになって活きました。
とはいえ、、
最低限だけ稼いで働くのは限界があるとも感じ始めました。それは正社員を辞めて4年目になり、家電が壊れ始めたことをが原因でした。
最低限の収入で生きるのはあくまで現状維持。先に起こることへの備えは全くできていません。
この不安から、正社員で再び働くべきかを悩むようになりました。
器用な人であれば、1日に2か所や3か所で働くことができるのかもしれませんが、私には絶対に無理な働き方です。
1社で働いて収入を増やしたいとなれば、正社員になるのが一番の近道だと考えました。
幸いにも、週3日で始めたバイトは2年で資格を取得できる業界でした。
「資格が取れるから転職を考え始めた」といえば、面接でも悪い印象はないと考えました。
資格取得まで半年のタイミングで業界の求人サイトに登録し、転職活動をはじめました。
半年でいいところが見つかればいい。なんなら別にもっと時間がかかってもいい。
そう思って転職活動をしていると無事内定をもらうことができました。
ですがその会社には正社員で入社することを辞めました。資格取得までの期間、週2のアルバイトで行きましたが合わないと感じたためです。
正社員として入社する前に合わないと知ることができたのは、私にとって大きな成功体験になりました。
今後も慌てず、自分に合いそうな会社を探していくつもりです。
正社員で働くべきか
私はフリーターから正社員に再びなる選択をしました。ですが必ずしも正社員になる必要はないと考えています。
正社員で働いていない人には、働いていない理由が絶対にあります。重要なのは、自分が納得できる働き方をできることです。
週1日であっても週3日であっても、働いているだけですごいことです。
フリーターだろうと派遣社員だろうと働いているだけですごいことです。
自分が無理なく働けることが一番重要です。
生活に必要な金額を考え、最低限だけ働くのだって立派な選択です。
今の自分が納得できるなら、その働き方は間違っていません。
悩んだなら今を大切にすることを考えましょう。
納得の形はその時その時で変わってきます。
パワハラで会社を辞めた時は、貯金がなくなったら死ねばいいと思っていました。
バイトで最低限の生活費を得られていた時は、それでいいと思っていました。
今の自分の段階に合わせて、納得できる生き方を選びましょう。
周りの声なんて気にしなくていいです。
自分のペースを大切にしてください。
私は社会に出て10年以上経ち、ようやく納得できそうな働き方を見つけられました。
もちろん、今納得できそうと思っているだけで、数か月先、数年先でどう考えが変わっているかは分かりません。
他人より転職回数は圧倒的に多いです。
自慢できるような強みも全くありません。
それでも悩んだときは、今の自分が納得できる選択をし続けたいと思っています。
もしこの記事を読んでくださったあなたが悩んでいるなら、まずは自分の心を大切にしてください。
自分の心以上に大切なものは、この世界に存在しないのですから。